2月9日 鶴岡市様【令和5年度有機農業×スマート農業公開講座】を行いました②
2回目となる今回は『「有機水稲の土壌」を学ぶ』についてお伝えします。これは、有機水稲と慣行水稲の水田土壌の特徴を知ることを目的とするものです。
はじめに、水田の生産性と持続性が高い理由として連作障害が起こりにくいことや、灌漑水によって水稲に養分が供給されること、土壌浸食が起きにくいこと、水田では有機物が減少しにくく、土壌の窒素供給能が高いことなどをお話しし、肥料の活用法や灌漑水による養分供給のデータをお示ししました。 次いで有機栽培の特徴として、窒素、リン酸などの土壌肥沃度が高いこと、分げつ期間が長いこと、一茎乾物重が重いこと、1穂籾数が多いことなどを挙げ、高温障害に対して抵抗性を有する可能性があることをお伝えしました。また圃場状態を知るために、客観的な土壌分析や土壌調査データを活用することが有効であると述べました。水田土壌では㏗5.5~6.5が適正値とされますが、土づくりが停滞してる水田では㏗が5.5以下となっていることが多く見受けられることから、ケイ酸質資材などを施用し、㏗5.5を数値目標とすることをお薦めしました。
次回は3/8です。「気象変動の近未来予測と有機水稲との相性を考える」についてお伝えします。