10月28日 土づくりチャレンジ研修会in三重県津市にて講演を行いました
みえ土づくり推進協議会様主催の研修会にて講演をさせていただきました。
近年、夏場の高温の影響や土壌有機物の減少による地力低下、土壌の酸性化などにより、収量や品質低下が目立ってきており、今こそ土づくりの原点に立ち返るという機運の醸成を図るということでお声がけいただきました。
『情報を活用した水稲高温障害対策のための土づくり戦略』として、現在の稲作は地力低下や還元リスク、土壌物理性の悪化、苗質低下や土づくりの停滞、不適切な肥培管理に加え、高温や日照不足などの気象変動、農業従事者の減少、肥料価格高騰などに見舞われていることをお話ししました。そこで1951年から2024年までの津市の平均気温の変化を示し、最低気温の上昇が顕著であると1粒重の低下リスクがあること、育苗期間である4月の気温上昇により苗質低下や施肥ロスとなってしまうことをお伝えしました。
また水田における効果的な土づくり手法として、堆肥だけではなくケイ酸施用や還元対策が必須であること、サブソイラなどの排水対策も効果があることなどを説明しました。
最後に、気象変動時こそ暦日ではなく葉齢による評価が重要であること、これまでの作業体系をもう一度見直してみることをお薦めし、三重県の生産者様にエールを送りました。