12月11日 【酒田市技術研修会⑥】を開催しました
全6回の研修会も今回で最終回です。この日のテーマは「令和6年の稲作戦略」です。
はじめに「今、稲作で起きていること」として、地力低下や還元リスク、土壌物理性の悪化を挙げました。次いで、基本技術の省略や苗質低下、土づくりの停滞、不適切な肥培管理に加え、高温や日照不足などの気象変動、農業従事者の減少、肥料価格の高騰があることを述べました。さらに、収量・品質低下、圃場間・内、年次間のバラツキが拡大していることから、克服すべき課題として初期生育確保(スタートダッシュ)、生育後期の凋落抑制(持久力)を挙げ、どちらも土壌の還元の進行、ケイ酸不足等土づくりに由来することをお話ししました。
そして目標として、単収向上、コスト低減を同時に合わせ持つ収益性の向上を挙げ、具体的事例について示しました。あわせて葉齢から見た診断法や、情報連動型肥培管理による減肥戦略がコスト低減につながることなどについて解説を行いました。
まとめとして、食料自給率アップのための5つのアクションや、これからの米の可能性について話し、米は国内で唯一自給可能な穀物で安全な食料であること、米を食べることで「持続可能な未来の実現」に貢献できることなどお話しし、「意思ある生産者かつ消費者であってほしい」とお願いしました。